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ダイエットボディー遊走腎

「ジムに遊走腎のお客さんがいるのですが、どのようなエクササイズを処方したらいいでしょうか。」

遊走腎(ゆうそうじん)とは腎臓の位置が正常位から下がって(腎下垂)異常に移動する腎臓のことをいいます。
内臓は区分けされた棚や箱の中に収まっているわけではなく、背中の壁からいわばひものようなもので吊り下げられて安定しています。つまり、普段立位の姿勢では重力によって内臓はぶら下がっていることになります。この臓器につながるひもが緩んで器官が垂れ下がっていると、下垂と言う現象が起きます。一般的に知られている症状として、胃下垂が挙げられます。これが腎臓において椎骨2個分以上下がった状態だと遊走腎と診断されます。
遊走腎は尿の検査や触診、立っているときと寝ているときとの腎臓の位置をX線撮影で比較するなどして診断することが出来ます。

遊走腎は先天性、多回数の妊娠、強度の痩せなどが原因で起こります。
腎臓を支えているのは、腎臓を取り巻いている筋膜と脂肪です。これらが脆弱になると遊走腎が起こると考えられています。腎臓の周囲を被っている脂肪は身体の動きを吸収し、腎臓自体を保護するように働いています。極端に痩せてしまうと、この脂肪自体がなくなって身体の中を腎臓が動き安くなります。特にやせ気味の女性に多いのはそのためです。
それに伴って痛みが発生します。腎臓につながっている動脈と静脈を引っ張ってしまう為に痛みを感じたり、尿管が屈曲するために尿がたまり腎臓が腫れ、痛みが生じます。特に左右にある腎臓のうち、右側の腎臓に起こることがほとんどで、右側の腰に近い背中などに痛みが生じます。普通は鈍い痛みですが、場合によっては、顔が青ざめて冷汗をかくよいうな激痛に襲われることもあります。さらに腎臓近くにある自律神経を刺激するために、吐き気を催すこともあります。

これら腎臓を取り巻く環境を整えてやれば遊走腎を治すことが出来ます。遊走腎だけなら、それほど深刻ではなく、手術が必要な例はまれです。あまりに痛むときには、横になって腰を高く、頭を低くすれば、おさまっていくはずです。しかし、症状がひどいときには、腎臓の周囲の筋膜を背中の筋肉に縫いつけて、腎臓が下がらないようにする手術をする方法もあります。
大抵はよく食べて太ると治ってしまいます。女性では妊娠を経て太ると治ってしまうことも多いです。したがって、消費エネルギーにあった十分な摂取カロリーを摂れているかどうか普段の食事をみなおすことが大切です。特に成長期で代謝が活発な子供は、食事で十分な摂取エネルギーが摂れているようにしなければなりません。
特別な運動療法でなおす方法というのはないようです。しかし、腹筋群や背筋群は体幹や内臓の安定には大変重要な働きをしています。腹筋は腎臓が背部に位置しているため直接的に腎臓を安定させるのには関与していません。しかし、腹筋を強くすることによって腹圧を高めることが出来きます。その結果、内臓を安定させることが出来ると考えられます。したがって、腹筋の強化は遊走人の治療、予防のための1つの手段として取り入れていくことは有効と考えられます。エクササイズを行う時はなるべく腎の安定した位置で運動することが賢明です。例えば、ディクラインのベンチを使ったクランチなどです。
ただし、遊走腎の症状が強くある人が、上体を起こしたり捻ったりするような腹筋運動を激しく行なうと、痛みを増発するかもしれません。したがって、エクササイズプログラムを指導する際には、くれぐれも注意してください。

山内潤一郎