ロイシンと筋萎縮の予防
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「高齢者の筋力低下や筋萎縮を食事やサプリメントで防ぐことは出来ませんか。」
加齢に伴う筋機能の低下や筋萎縮のメカニズムの解明、その予防や治療のためのサプリメントや薬に開発は大学や企業の研究機関で盛んに行われています。
具体的には、筋萎縮を抑制する効果のあるサプリメントを探すこと、動物レベルで効果が認められているサプリメントを人を対象としたサプリメントとして応用開発することとそのサプリメントの効果のメカニズムの詳細を検討すること、サプリメントと高齢者のトレーニングの相乗効果を検討することなどがあげられます。
最近の論文で必須アミノ酸の一つであるロイシン(leucine)のサプリメント補給が動物の加齢に伴う筋萎縮の予防に効果のあることが報告されています(Combaret et al. 2005)。ロイシンはイソロイシンとバリンと共にBCAAの一つです。
食後、タンパク質合成は増加し、同時にタンパク質分解は低下しています。成人後はこの筋肉の合成と異化のバランスは保たれています。また、食後はタンパク質分解酵素であるプロテアーゼ活性が低下するため筋萎縮は妨げられています。
しかし、高齢者の食後のタンパク質合成は低下し、タンパク質分解は増加しています。さらにプロテアーゼ活性も増加しています。その結果、筋萎縮を助長しています。
これらの加齢に伴う食後のタンパク質合成の低下とタンパク質分解の増加は必須アミノ酸の摂取で、プロテアーゼ活性の増加はロイシンの摂取で防げることが出来ます。
筋量の減っている高齢者はエネルギー代謝が低下しているため糖分や脂肪による多くのエネルギー摂取を控えなければなりません。余分なエネルギー摂取は肥満、糖尿病の原因になります。
その一方、筋萎縮を妨げるためには多くのタンパク質を摂取する必要があります。しかし、過剰なタンパク質の摂取もエネルギー過多となってしまいます。そこで、良質のタンパク質、特にロイシンを多く含んでいる食物を摂取することが勧められます。
高齢者のプロテアーゼ活性を抑制することは筋萎縮の低減ための重要な予防策となります。プロテアーゼインヒビターとして効果のあるサプリメントを検討している研究は多くあり、論文で発表されています。
今後はロイシンなどのこれらのプロテアーゼインヒビターのサプリメントの効果をヒトへ応用していくことが課題になっています。
山内潤一郎
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