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ダイエットボディーゲノム創薬

「ヒトゲノム解読、そしてタンパク質の研究が我々人にもたらしている具体的な利点はなんですか。」

新たな病気の治療法や薬の開発です。
ゲノムの解読が終わった今、多くの大学や企業の研究機関は病気の原因となる遺伝子やそれを防ぐための遺伝子を見つけ出し、いわゆるゲノム創薬の開発に躍起になっています。事実、そのために日米欧の大学や研究機関は多額の研究費を費やし、アミノ酸配列やタンパク質の立体構造の解析に力を入れています。

タンパク質はヒトをはじめとする全ての生物の生命現象を維持するのに大切な役割を直接担っています。タンパク質はDNA上の遺伝子の設計図に基づいて合成されています。DNAは4種類の塩基から構成され、その3個の塩基配列によって異なったアミノ酸を作っています。DNAからRNAに転写され、RNAは直接必要でないイントロンを切り取りエクソンを繋ぎ合わせるスプライシングという過程を経てメッセンジャーRNAとなり、アミノ酸に翻訳されます。この一連の過程を経て作られたアミノ酸はひも状で、その後折り畳まれて立体構造のタンパク質が作り上げられます。このタンパク質の立体構造が各タンパク質の機能を決めています。
例えば、DNA上の塩基が一つ置き換わった一塩基多型(SNP)では、目的のアミノ酸が正確に作られないだけでなく、ひも状に作られたアミノ酸が正常な立体構造のタンパク質を作れなくしています。それが病気の原因でもあります。
このような異常で有害なタンパク質を活性化させないため、あるいは作らないために様々な方法が試みられています。その一つにDNAからRNAに転写で出来た鋳型RNAに同様の特殊なRNAを入れて結合させて、アミノ酸への翻訳の過程を阻害してタンパク質を合成させない方法があります。これをRNA干渉といい、異常なDNAから有害なタンパク質を合成させず病気を発生させないようにすること出来ます。

遺伝子からタンパク質の異常に伴う病気を治療するための薬や治療法の開発ために、病気関連遺伝子やタンパク質の立体構造を特定することは必要不可欠になってきます。そのためには正確な病気の診断とその情報の管理が重要なのはいうまでもありません。多くのDNA上の情報を読み取るバイオチップなどのナノテクロジーの技術もさらに進化していく必要があります。そして、ゲノムやタンパク質の多くの情報を管理し、研究成果の高速実用化のために生命情報科学の重要性が増しています。

ここ数年、多くの病気の関連遺伝子が発見され、ものすごい早いスピードで研究が進み、その成果基づく多くの特許が大学や各研究機関で取得されています。しかし、それでも実用性や倫理などの様々な課題があり、実際に薬や治療法となり市場に出るまでには10年近い期間がかかるといわれています。
新たな治療法を早く実用化するためにはゲノム解読を高速化させた米セレラ・ジェノミクス社長Craig Venter氏のようなエクセントリックな人の存在が必要なのかもしれません。

山内潤一郎