牛乳タンパク質
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「体を大きく強くするためには体内への吸収が早いホエイタンパク質を摂った方がいいのですか。」
筋肉トレーニングをし始めると徐々にサプリメントに興味を持ち始めるようになります。特に筋肉を作る材料となるタンパク質の種類や摂取方法は気になってくるはずです。
プロテインサプリメントには動物性の牛乳や卵タンパク質と植物性の大豆タンパク質で作られたものが一般的に市販されています。
牛乳タンパク質は消化が良く、9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため筋肉づくりのプロテインサプリメントとして人気があります。
牛乳タンパク質はホエイ(whey)とカゼイン(casein)のタンパク質に大きく別けられます。各健康食品ブランドはこれら2種のタンパク質を異なった比率で配合して作って販売しています。
これら2種の牛乳タンパク質の特徴の違いは体内への吸収速度にあります。ホエイタンパク質は血中アミノ酸濃度を急激に上昇させて、タンパク質の同化作用を促進させます。一方、カゼインタンパク質は血中アミノ酸濃度を緩やかに上昇させて、タンパク質(筋肉)の異化分解作用を抑制しています。
これだけだと筋肉作りにはホエイの方がいいという感じがします。実際にホエイタンパク質の摂取直後は血中のアミノ酸濃度が即時に正常時の2倍以上に上昇し、タンパク質の合成を促進させています。
しかし、筋肉の分解を防ぐことも筋肉作りや筋力強化には重要な要素です。特にトレーニングをして筋肉を鍛えている人はトレーニングで破壊された筋肉を修復するために新しいタンパク質を合成しなければなりませんが、一方で普段から筋肉の代謝も高くなり筋肉を分解してエネルギーとしているため、筋肉の異化分解作用も防がなければなりません。ホエイタンパク質は吸収速度が早い反面、アミノ酸の酸化もおよそ90分と速く異化作用を防ぐことが出来ません。
そこで、Dangin et al. (2001)はホエイタンパク質を高頻度で摂取することによって、カゼインタンパク質と同様に筋肉の異化分解作用を防ぐことが出来るかどうかを検討しました。ホエイタンパク質を少量ずつ20分おきに摂取することによって、同量のホエイタンパク質を一度に摂取した時よりも急激に血中アミノ酸を上昇させることはできませんでしたが、同量のカゼインタンパク質を一度に摂取したのと同じ効果を得ることが出来ました。
したがって、ホエイタンパク質をアミノ酸の酸化の起きる90分前後に毎回摂取することは筋肉の異化作用を防ぐために効果的だといえます。しかし、このような頻度の多さからくる面倒さを考えるとカゼインを摂取をした方が筋肉の異化作用を防ぐにはスマートだといえるのではないでしょうか。
ただし、トレーニング直後など短時間で血中のアミノ酸濃度を高め、タンパク質の同化作用を促進させたい時はホエイタンパク質の方が有効だといえます。
一方、睡眠中などの休息時に筋肉は合成されていますので、その期間中出来るだけアミノ酸の酸化を防ぐために徐々に血中のアミノ酸を上昇、維持させておく必要があります。そのためにはカゼインタンパク質の方が有効に働いてくれます。ボディービルダーの中には2時間おきに起きてタンパク質、アミノ酸を摂取している人もいるというぐらいです。ここまで神経質になる必要はありませんし、このように睡眠を忙しくさせないためにもタンパク質の種類をうまく使い分けてあげることは大切です。
したがって、筋肉づくりのためにはホエイとカゼインの両方のタンパク質を目的に応じて有効に使うべきだといえます。どちらがいいとは一言では片付けることは出来ません。
山内潤一郎
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