運動は老人ボケ予防に良い
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「うちの両親は今は元気なんですが、最近物忘れが多くなってきました。老人ボケするのではないかと心配です。なんとか防止する方法はないのでしょうか。」
いわゆる老人ボケはアルツハイマー病と脳血管性痴呆の2つに大きく別けられます。
脳血管性痴呆は脳の動脈硬化や心臓病などが原因で脳の血流が悪くなり詰まって脳梗塞を起こし、その結果脳細胞が壊死し脳機能に障害が起きてしまいます。したがって、脳血管性痴呆の予防には動脈硬化や心臓病の予防対策が同時に有効ということになります。一方、アルツハイマー病の原因は未だによくわかっていなく、予防や治療の方法が難しいとされています。
それでも、最近アルツハイマー病に関する研究が進み、いくつかのことわかってきました。
アルツハイマー病は脳に不要なタンパク質"アミロイドベータ"が蓄積することや、記憶の形成に必要な神経細胞"前脳型アセチルコリン作動性神経細胞"が減少することが原因で記憶障害などを引き起こしていると考えられています。
したがって、アルツハイマー病の治療や予防対策にはアミロイドベータの除去もしくは蓄積させないようにすることと、前脳型アセチルコリン作動性神経細胞の減少を防止することもしくは増殖させることが課題になります。
このアミロイドベータを脳に蓄積させずに血中へ取り除くのに、運動が効果的であることがスペインの研究者らの動物を使った実験でわかりました(Carro et al. 2005)。マウスに毎日1時間トレッドミル上でランニングを4週間実施した結果、メガリン(megalin)と呼ばれるアミロイドベータを取り除く働きをするタンパク質が増加しました。また、メガリンは血中でIGF-Iと結合してIGF-Iを脳内に運び込む働きもしています。IGF-Iは筋の成長過程で大切な役割をしているだけでなく、脳内で神経細胞に有効な働きもしています。
さらに、メガリンの増加は記憶認知力の向上にも貢献していました。
一方、メガリンは加齢に伴って減少しています。したがって、メガリンの減少がアルツハイマー病などの加齢に伴う脳の神経変性症を引き起こす原因の一つとして考えること出来ます。
このことから普段から身体を動かしておくことは、老人ボケやアルツハイマー病の予防対策に有効だと考えられます。
脳の健康のためにも、身体を健康的にフィットしていきましょう。
山内潤一郎
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